Googleアナリティクスの画像解説付き! CVR(コンバージョン率)とは?CVRを求める意味や計算方法を画像付きで解説
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公開日
2022.03.14
- 更新日
この記事は20分ほどで読めます
Webサイトのアクセス解析などでよく使われるコンバージョン率(CVR)という言葉について、みなさんはどのような認識をもっているでしょうか。「言葉自体は聞いたことがあるけど、中身まではよくわからない」という方も多いかもしれませんね。
本記事では、コンバージョン率(CVR)の基本的な解説を行なうとともに、コンバージョン率(CVR)の必要性や算出方法、活かし方などについても説明していきます。
ーーかんたんな用語解説ーー
・アクセス数:分析や解析のうえで「アクセス」という明確な定義はじつは存在しない。多くは「セッション(SS)数」を「アクセス数」として言い換えることが多い。
・ページビュー(PV)数:ユーザーが閲覧したサイトページ数
・ユニークユーザー(UU)数:特定の期間内にWebサイトを訪問した人の数。同じユーザーが複数回訪問しても「1人」と数える。
・セッション(SS)数:Webサイトを訪問した人がサイト内を閲覧してページを移動し、最終的に離脱するまでの数。同じユーザーであっても朝に1回、昼に1回訪問すれば「2」と数える。
・クリック数:特定の期間内にリンクや広告が開かれた回数の合計
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目次
コンバージョン率(CVR)とは成果の指標
コンバージョン率(CVR)は「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の略で、Webサイトを訪れたユーザーが、サイト運営側の設定した「成果」にどのくらい達したのかをパーセンテージで表したものです。一般的には「CVR」や「コンバージョンレート」よりも「コンバージョン率」と表記されることのほうが多いです。
また、訪問ユーザーがサイト運営側の設定した成果を達成することをコンバージョン(CV)といいます。この成果は、小売業やサービス業のECサイトであれば「商品の購入やサービスの申し込み」になるでしょうし、自社サイトを商談の機会として活用するのであれば「資料請求やお問い合わせ」になります。会員・メルマガ登録や無料体験版の申し込みなどが成果として設定されることもあります。
コンバージョン(CV)とコンバージョン率(CVR)の違い
前述したように、コンバージョン(CV)はWebサイトを訪れたユーザーが商品購入や資料請求、無料体験版の申し込みといった成果に至ることを指しています。「商品が500個売れた」「資料請求が700件あった」というように、ユーザーの行動結果が実数で表される点が特徴として挙げられます。
一方、コンバージョン率(CVR)は「率」という名前が示すとおり、ある特定の母数に対してどのくらいの数がコンバージョン(CV)に達したのかを表しています。たとえば、Webサイトのユニークユーザー(UU)数(=特定の期間内にWebサイトを訪問した人の数)に対して商品を購入してくれたユーザーが何人いたのかを比率として明らかにしたものをコンバージョン率(CVR)として扱うこともあるでしょう。
コンバージョン(CV)もコンバージョン率(CVR)も成果を表す指標なので、どうしても混同してしまいがち。まずは、どちらの意味もしっかりと把握し、その関係性を理解しておくことが大切です。
ちなみに「CTR」という言葉もありますが、これは「Click Through Rate(クリックスルーレート)」の略で、よく「クリック率」と表記されます。主にWeb広告などで用いられる言葉で、広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた回数の割合を示しています。
(その場合の計算式は クリック数がコンバージョンとなり、クリック数×インプレッション(広告表示数)÷100 となります)
コンバージョン(CV) | Webサイトを訪れたユーザーが 商品購入や資料請求、無料体験版の申し込みといった自社が定めた成果に至ることを指す。コンバージョンの設定はサイトごとに行なうため、その内容は異なり、またコンバージョンは複数設定が可能なため、資料ダウンロードや商品購入などひとつではない場合が多い。 |
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コンバージョン率(CVR) | ある特定の母数に対してどのくらいの数がコンバージョン(CV)に達したのかの割合を表すもの。たとえば、Webサイトのユニークユーザー(UU)数(母数)に対して商品を購入してくれたユーザーが何人いたのか(コンバージョン(CV)数)を比率として明らかにしたもののことをいう。 |
この章のまとめ
- CVは成果に至ることを、CVRは母数に対してのCVの割合を指す
- 母数が変わればCVRは変化する。母数をPV数やセッション数、UU数などどこに定めるのかを決める必要がある
コンバージョン率(CVR)を設定する重要性
Webサイトのアクセス解析では、よく「コンバージョン率(CVR)を設定することが大事」だといわれています。では、なぜコンバージョン数だけでなく、コンバージョン率(CVR)の設定が重要なのでしょうか。
ここからは、コンバージョン率(CVR)を設定する意義について解説していきます。
最終成果判断をするのに必要な指標
コンバージョン率(CVR)の設定には、明確な数値をもとに、設定した成果の達成度合いを把握することができるという意義があります。
仮に、商品購入数が伸び悩んでいる自社ECサイトを調べた結果、コンバージョン率(CVR)が低いことが判明したとします。この場合、一概にマイナスの結果と捉えるべきではなく、むしろ成果達成を阻んでいる要因を洗い出すチャンスと考えるべきなのです。
もしかすると、サイトが見づらい、使い勝手が悪いといった改善点に気づくことができ、より良いサイトへと改修する道筋が見つけられるかもしれません。
また、施策に対しての効果がコンバージョン数だけでは見えにくいという点もコンバージョン率(CVR)を設定したほうがよい理由のひとつです。なぜなら、自社の課題がユーザー数に対してのコンバージョンを上げる施策なのか、またはそもそもセッション数を上げる施策なのか、施策にもいろいろと方向性が存在するからです。仮説を立て効果検証をして、実際に出てきた結果に対して、まずは仮説が正しかったかどうかを踏まえた上で確認していくことが重要です。また、最初はうまく行かずとも、その蓄積されていくノウハウも未来の成果となりますので、続けていくことが大切です。
一般的なコンバージョン率(CVR)の平均は1〜3%
一般的なWebサイトで、コンバージョン率(CVR)の平均は1〜3%といわれています。
ただし、コンバージョン率(CVR)は、コンバージョン(CV)の難易度によって左右される面もあります。たとえ同じサービスを扱っていたとしても、成約をゴールと捉えるか、資料請求をゴールと捉えるかでは、コンバージョン(CV)のハードルが変わってくるからです。この場合はもちろん、成約をゴールとしたほうがコンバージョン(CV)の難易度が上がり、コンバージョン率(CVR)を高く保つというミッションのハードルも高くなります。導くコンバージョン率(CVR)の内容が「Web広告」「Webサイト」「ECサイト」などによっても平均値は変わってきます。
また、業界によってコンバージョン率(CVR)の平均に差異があり、金融業界では平均5%といわれています。つまり、コンバージョン率(CVR)の平均はあくまで参考値でしかなく、確実な平均値として断言できる数字はとくにないと考えておいてよいでしょう。
コンバージョン率の決め方
とはいえ、自社サイトの成果を明確にするためにも、コンバージョン率(CVR)の目標設定はしておきたいところです。
コンバージョン率(CVR)を決める際に押さえておきたいポイントは、自社が何を目標として成果を出すのかを考えるということ。前述したように、コンバージョン率(CVR)に大きな影響を及ぼすのはコンバージョン(CV)の難易度なので、この部分を事前に社内でしっかり協議しておくことが大切なのです。
一般的には下記のようなコンバージョンが考えられます。
お問い合わせ・見積もり請求・資料請求・バナークリック・商品購入 etc.
まずは何に対して、(ユーザー数、セッション数、ページビュー数など)どのコンバージョンの割合(CVR)がなぜ必要なのかを確認していくことが大切です。上司に任されてはいるが社内に専門家がいないなどの場合、会社として少しでも成果を感じてもらうために、まずは数字が上がりやすい、もしくは高い数字がでやすい目標を立てるのもひとつの手です。
この章のまとめ
- 最終成果判断にCVRを活用しよう
- 一般的なCVRの平均は1〜3%といわれることが多いが、業界や媒体によって変わるので、ひとつの参考程度に考えよう
- CVRの母数をきちんと決めておこう。そのために、自社での目標を明確に定めておくことが大切
【計算式】コンバージョン率=コンバージョン数÷セッション数×100
それでは、実際にコンバージョン率(CVR)を算出する際の計算方法についてみていきましょう。
コンバージョン率(CVR)の計算式は、以下のとおりです。
このように、コンバージョン率(CVR)は設定した成果やサイトの種類によって母数(表の青色の部分)が変化します。たとえば、Web広告の場合は、母数を「クリック数」とするのが一般的です。
■コンバージョン(CV)が商品購入の場合(ECサイトなど)
・コンバージョン(CV)数÷クリック数×100
(ボタンがクリックされた数に対して、商品購入数がどれくらいの割合なのか)
・コンバージョン(CV)数÷ユニークユーザー(UU)数×100
(訪れたユーザーに対して、商品購入数がどのくらいの割合なのか)
■コンバージョン(CV)が資料請求やお問い合わせの場合(LPなど)
・コンバージョン(CV)数÷セッション(SS)数×100
(サイトにアクセスされた数に対して、お問い合わせがどのくらいの割合なのか)
・コンバージョン(CV)数÷ページビュー(PV)数×100
(ページが閲覧された数に対して、お問い合わせがどれくらいの割合なのか)
セッション数をベースとしてコンバージョン率(CVR)を算出することが多いですが、重要なのは自分が何に対してのどの割合を出したいのかということ。ユーザー数に対して商品注文数の割合が知りたいのか、セッション数に対して全体のお問い合わせ数が知りたいのか。もしくは施策全体の成果としてサイト全体のページビュー数に対してお問い合わせや商品購入を含めたすべてのコンバージョン数を計りたかったり、LPページの効果測定のために、そのページ単体の成果として、数字が出したかったりすることもあるでしょう。上記以外にも、ECサイトであればユーザー数に対しての商品購入数を割合として算出したほうがいいなど、サイトの特性によっても変わってくるので自社に必要な母数を正しく定義する必要があります。その数値を出すのは改善するためなのか、報告するためなのかなど、まずは自分がなんのための数字を導きたいのかを考えてみることも重要です。
※図の改善施策はあくまで一例です。
慣れていない、もしくはなんの数字を出せばいいか迷ってしまう場合は、まずはセッション数で自社の目標としているコンバージョン数(お問い合わせ数や商品注文数など)で確認してみましょう
コンバージョン率(CVR)計算の具体例
コンバージョン率(CVR)計算の具体例は、以下のとおりです。
※従来のGA、UAでの解説となります。GA4での計算方法については随時更新していきます。
お問い合わせ/セッションで計算|セッション(SS)数1000、お問い合わせ数10の場合
Q.
使用する計算式:コンバージョン(CV)数÷セッション(SS)数×100
実際の計算:10÷1000×100=1%
A.
コンバージョン率(CVR)=1%。
商品購入/クリック数で計算|クリック数100、商品購入数5の場合
Q.
使用する計算式:コンバージョン(CV)数÷クリック数×100
実際の計算:5÷100×100=5%
A.
コンバージョン率(CVR)=5%
この章のまとめ
- CVR=CV÷母数とする数値✕100
- 母数とする数値には主に、PV数やUU数、SS数などを入れることが多い
- 従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)ではSSをベースに計算されている
- CVRから見えてくる課題がそれぞれ違うので、立てた目標に対して正しい計算をしよう
【画像で説明】Googleアナリティクスでコンバージョン率(CVR)の導き方
それでは実際にGoogleアナリティクスを使用してコンバージョン率(CVR)を導いてみましょう。
上記を参照し、今回算出するコンバージョン率(CVR)は
お問い合わせ数÷セッション数×100
で計算していきます。
必要な情報は
・計測する期間
・期間中のセッションの数(ベースとなる数)
・期間中のお問い合わせの数(コンバージョン数)
です。
さっそくいっしょに見ていきましょう。
サイト全体のコンバージョン率(CVR)計測
※表示されている数値は計測用のため、実際の数値とは異なります。
(1)測定期間の設定は6カ月からが標準、難しければ1カ月から
右上にある期間設定から計測対象となる期間を設定します。このとき、正確なデータを取るために短くても3カ月、できれば6カ月〜、可能であれば1年くらいの期間設定をおすすめします。どうしても難しい場合は1カ月〜見てみてください。
1カ月 | どうしても急ぐときの測定期間 |
---|---|
3カ月 | とりあえずあれば測定期間 |
6カ月 | 標準的な測定期間 |
12カ月 | 理想的な測定期間 |
今回は短めの2021年10月〜12月までの3カ月間に指定しています。
このあと説明するランディングページやチャネル別のコンバージョン率(CVR)を計測する際ももちろん必須となりますので、必ず設定するようにしてください。
(2)つぎにコンバージョン数の確認
サイドメニュー|コンバージョン>目標>概要
からコンバージョン数の確認をしましょう。このとき、なんのコンバージョンで計測するかが大切です。すべてのコンバージョン(目標の完了数)で計測するのか、各目標値に絞って計測するのかなどの詳細は必ず確認をしておきましょう。また、サイト全体のコンバージョン率についてはこのページのコンバージョン率で確認することができます。
今回はお問い合わせのコンバージョン率(CVR)を計算したいので、目標1の完了数を計測に使用します。
(3)さいごにベースとなる数値(セッション数)の確認
さいごに、ベースとなる数値の確認です。今回はサイト全体のセッション数をベースにお問い合わせのコンバージョン率(CVR)を計測したいので
サイドメニュー|ユーザー>概要
のセッションを確認します。その間に訪れたユーザー数やセッション数、ページビュー数などが書いてあるのでこちらからセッション数の部分を参考にします。
※ページごとのセッション数は違う部分を見る必要がありますので後述します。
(4)コンバージョン率(CVR)を算出する
以上のデータをもとに、コンバージョン率を算出します。
コンバージョン数(211)×セッション数(24,358)÷100
なので数字にすると
211÷24,358×100=0.8%
ということで、コンバージョン率(CVR)は0.8%でした。
これは全体のセッションに対してのお問い合わせの割合の数値です。
ランディングページやチャネルを対象にしたコンバージョン率(CVR)計測
続いてはLPなどオーガニック検索からランディング(着地)したページのコンバージョン率(CVR)計測と、メルマガやSNSといったチャネル別のコンバージョン率(CVR)の計測を行なっていきます。まずは先ほどと同じく期間を設定してから、計測するようにしましょう。
ランディングページではデザイントレンド(design-trend)のページを、ページビュー数に対しすべてのコンバージョン数の割合、チャネル別ではメルマガのコンバージョン率(CVR)計測として、Emailからの流入に対しすべてのコンバージョン数の割合を出していきたいと思います。
(1)ランディングページ|コンバージョン数の確認
ここで、コンバージョン率(CVR)を計測したいランディングページのURLを検索し、コンバージョン数やセッション数などを確認します。
サイドメニュー|行動>サイトコンテンツ>ランディングページ
ベースとなる数字は集客部分の『セッション』や『ユーザー』を確認してください。他、コンバージョン数はコンバージョン部分の目標の完了数を確認します。またすべての目標ではなく、指定した目標で計測したい場合は、タブで目標を切り替えましょう。
先ほどのページごとのセッション数はこちらから確認できます。
(2)ランディングページ|ページビュー数の確認
つぎにページビュー数の確認ですが、これはランディングページからはできません。
サイドメニュー|行動>サイトコンテンツ>すべてのページ
サイトコンテンツ内のすべてのコンテンツからページビュー数を確認しましょう。
これまで見ていただいてわかる通り、ページごとのセッション数とページビュー数は確認できる場所が違います。
ページごとのセッション数はランディングページから
ページごとのページビュー数はすべてのページから確認してください。
またサイトすべてのランディング数やページビュー数はユーザー>概要から確認することができます。
(3)ランディングページ|コンバージョン率の計算
先ほどの行動>サイトコンテンツ>ランディングページにもコンバージョンの1項目としてコンバージョン率がありますが、これはセッションに対してのコンバージョン率になります。なので今回はページビュー数から計算したいと思います。
ここでわかるのはページが閲覧された回数に対して、どれくらいの割合ですべてのコンバージョンが獲得できたか?という割合です。
ランディングページの
コンバージョン数(10)÷ページビュー数(6,304)×100
なので数字にすると
10÷6,304×100=0.2%
ということで、指定したランディングページへ流入したユーザー数に対してのすべてのコンバージョンの割合(コンバージョン率)は0.2%でした。
これはとても低い数値です。しかしこれには理由がありますので、後述する一概にコンバージョン率(CVR)を上げればいいわけではないをご覧ください。
(1)チャネル別|ユーザー数とコンバージョン数の確認
さいごにチャネル別のコンバージョン率(CVR)を算出します。
サイドメニュー|集客>すべてのトラフィック>チャネル
ここで、チャネル別のユーザー数やセッション数、コンバージョン数やコンバージョン率などの詳細を確認することができます。ここでも項目としてセッション数に対するコンバージョン率(CVR)はすでに出ています。なので今回はユーザー数から計算したいと思います。
(2)チャネル別|コンバージョン率の計算
Emailチャネルの
コンバージョン数(3)÷ユーザー数(258)×100
なので数字にすると
3÷258×100=1.1%
ということで、チャネル別でEmailの流入に対してのすべてのコンバージョンの割合(コンバージョン率)は1.1%でした。
今回は練習なのであえてユーザー数から計算しますが、セッションに対してのコンバージョン率(CVR)は先ほどの集客>すべてのトラフィック>チャネルに記載されているのでそちらを参考ください。
【改善施策】CVRの改善方法は? 改善事例を踏まえて解説
弊社のクライアント様で、CVRが実際に改善した事例をご紹介します。
コンバージョン率の増加を目的としたオウンドメディアの改修を行ないました。
CVR増加施策(1)フォームへの導線とコンテンツ内容の改修
フォームへ誘導したいコンテンツページの内容を見直して改善した事例です。
<課題>
PV数が十分あるのにお問い合わせ率が低かった
<そのときまず確認したこと>
まず、PV数とお問い合わせの数を確認。PV数に対してCVRを算出したところ0.3%とたしかに低い数値がでました。そこで、なにが原因でそうなっているのかを分析しました。
結果、直帰率(UA時代の指標、2023年に完全移行のGA4でこの指標はありません)が高く閲覧時間が短い傾向にあったため
①ページ内のコンテンツが充実していないのではないか?(コンテンツ内容の質や専門性など)
②ページ導線がわかりにくいのではないか?(UI/UXの観点)
との仮説を立てました。
<改善策>
①コンテンツ内容の追加・ブラッシュアップ
検索キーワードから見えるユーザーのニーズを踏まえながら、コンテンツ内容(今回は記事の内容でした)の追加や図を加えるなどのブラッシュアップを行ないました。
②ページ導線の改修
UI/UXの観点から、操作性が低い部分を精査し改修。わかりやすい導線設計に変更しました。
<結果>
CVR 0.3%→2%に改善
ユーザーのページ滞在数 120%改善
CVR増加施策(2)フォームの改修
フォームへ誘導したいコンテンツページの内容を見直して改善した事例です。
<課題>
フォームのお問い合わせ完了率を上げたい
<そのときまず確認したこと>
まずは、フォームへの全体の流入数を確認。(フォームまで訪れた人の数)そこからさらにフォーム送信を完了した数を確認しました。
結果、実に70%ほどがフォームの入力段階で離脱していることが判明。
<改善策>
そこで、UI/UXを改善する施策、EFO(入力フォームの最適化)の実施を決定。
入力項目と入力必須項目を最小限にし、入力アシスト機能の追加、お問い合わせのフロー図を表示するなど対応を行ないました。
<結果>
お問い合わせの完了率 30%→50%に改善
このようにコンバージョン率(CVR)の改善には多角的、多面的な要因から問題点を理解し、可視化して改善していく必要があります。一面的なものの見方で改善を推し進めることは、これまでより悪い結果を生み出すこともあるので危険です。いくつかの要因を洗い出して数値を追いながら改善しているかどうかを確認しましょう。
コンバージョン率(CVR)が低い場合はコンバージョン率最適化(CRO)を
自社サイトのコンバージョン率(CVR)が低く、改善をはかりたい場合には、コンバージョン率最適化(CRO)について押さえておくとよいでしょう。
コンバージョン率最適化(CRO)は「Conversion Rate Optimization(コンバージョンレートオプティマイゼーション)」の略で、コンバージョン率(CVR)を改善し、最適化するためのさまざまな施策のことを指します。
このコンバージョン率最適化(CRO)の特徴は、コンバージョン率(CVR)を改善することによってどのようなプラスの効果がもたらされるのかという部分を重視している点にあります。コンバージョン率(CVR)の向上は、あくまで自社サイトの掲げる実現目標をクリアするための手段であるという認識を忘れないようにしましょう。
コンバージョン率(CVR)を目標数値に近付けていこう
コンバージョン率(CVR)を目標数値に近付けるためには、現状で自社サイトに足りないものを検証していく「現状把握」、コンバージョン率(CVR)が低い理由を探る「課題の洗い出し」、そして「仮説を立てて実行」しコンバージョン率(CVR)向上のための具体的な策を検討する「改善施策」が大切です。
つねにPDCAを回して止まらないことが大切
コンバージョン率(CVR)改善をはかる際には、PDCAを回し続けていくことを意識しましょう。
紙媒体とは異なり、Web媒体は運用しながら随時改善を加えていくことができます。その特性を活かし、効果検証と改善を繰り返しつつ自社サイトをブラッシュアップしていくとよいでしょう。
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一概にコンバージョン率(CVR)を上げればいいわけでない
コンバージョン率(CVR)とは提示の仕方によって大きく指標の異なる数値です。
たとえば、(3)ランディングページ|コンバージョン率の計算ではランディングページのコンバージョン率の計算でデザイントレンドのページを参考にしました。正直、0.2%のコンバージョン率(CVR)はお世辞にもいいとはいえない数値です。しかし重要なのは、私たちはこのランディングページからコンバージョンを取ろうとは思っていないのです。
というのも、この記事は流入を増やすために執筆した記事であり、目的はコンバージョンUPではなく認知向上とSEO対策。そのためこのページを訪れるユーザーのニーズと自社のサービスニーズが必ずしも合致していないということを理解しているのです。
このように一概にコンバージョン率を上げる施策を打てばいいわけではありません。まずはそもそも、その該当ページでコンバージョンを取ることが可能かどうかを考えてみてください。そのページでユーザーのコンバージョン意欲が醸成されない場合は、計測するべきページが違う可能性があります。例としてさきほどのデザイントレンドのページに関しては、流入数は多いがサービスニーズとの合致しない部分があるので、このページでコンバージョンを獲得することは難しいです。この場合はコンバージョン率の数値ではなく回遊率を上げるために離脱率の数値のほうが重要になってきます。
このようなページを足がかりにしてコンバージョンをとっていくには、サイト設計という考え方が重要になってきます。サイト設計では、流入の多いページから、ユーザーがどのような経路をたどってコンバージョンするかを考えます。訪問当初はまだターゲットユーザーでない潜在顧客を、どのように顕在顧客として育成しコンバージョンさせるようにするかを考える施策です。これが俗にいうカスタマージャーニーとなります。
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コンバージョン率(CVR)は成果を明確にするための数字
自社サイトで得られる成果を明確にするためにも、コンバージョン率(CVR)を活用することには大きな意義があります。継続的にコンバージョン率(CVR)を計測し、たしかな数値をもとにしてサイト改善をはかることで、より多くのコンバージョン(CV)を獲得することができるからです。また、コンバージョン率(CVR)はさまざまな数値に対しての割合が算出できます。一面では悪い数値でも他面では良い数値がでているということもあるのです。なかなか上司に苦労が理解されない担当者の方は、この数字のマジックを利用して報告するのも手かもしれません。
ただし、実際の改善施策では多角的な情報の精査や修正・改善が必要となります。どうしても成果が得られないのであれば専門家に相談してみるという方法も考えてみてください。
この記事のまとめ
- CVRは最終成果数値の参考値として考える
- 【計算式】CVR=CV÷母数(PV、UU、SS)✕100
- CVRは計算する母数をPV数、UU数、SS数のどれにするかで変わってくる
- 母数は最終目標と照らし合わせてどれが最適か考える必要がある
- 最初から目標数値を狙うよりも、PDCAを回して目標数値に近づけていくことが重要